
GLOSSARY
縞太二の治療室の症状ページ・コラム等で使われる東洋医学の用語をまとめた辞典です。各症状ページの「東洋医学から見た〜」のカードからもこちらへ参照できます。
※ 本ページは概要の参考情報です。診断・治療を保証するものではなく、症状が強い場合は医療機関の受診をお勧めします。
BASICS
東洋医学では、身体は「氣」「血」「水 (津液)」という3つの物質と、「精」「神」というより根源的なものによって支えられていると考えます。
生命活動を支える根本のエネルギー。呼吸・血の巡り・体温維持・防衛 (免疫) など、身体のあらゆる働きの源と考える。不足を「氣虚」、流れの停滞を「氣滞」と呼ぶ。
全身を栄養し、潤し、精神活動を支える物質。西洋医学の血液とは概念が異なり、栄養と精神を司る。不足を「血虚」、流れの停滞を「血瘀 (瘀血)」と呼ぶ。
体内の血以外の水分の総称。粘膜・関節・皮膚を潤し、組織を冷ます働きをもつ。停滞すると「痰湿」「湿熱」など病的な水分となる。
生命活動の根源となる、最も貴重な物質。両親から受け継ぐ「先天の精」と、飲食から生まれる「後天の精」がある。腎に蓄えられ、加齢とともに減少すると考える。
精神活動全般 (意識・思考・感情・睡眠) を司るもの。心に宿るとされ、心の不調は不眠・不安・動悸として現れやすい。
FIVE ORGANS
東洋医学の「五臓」(肝・心・脾・肺・腎) は、西洋医学の臓器とは概念が異なり、互いに関連しあう機能の系統として捉える。
氣の流れを滑らかにし、感情・自律神経・血の貯蔵を司る。ストレスの影響を最も受けやすい臓器で、機能が乱れると「肝氣鬱結」となる。
血脈と神 (精神) を司る。動悸・不眠・不安・記憶力など、循環と精神活動の両面に深く関わる。
飲食物から氣血を作る消化吸収・運化の中心。冷えや過労で弱ると倦怠感・食欲不振・むくみが生じる。
呼吸と全身の氣の循環、皮膚の防衛機能を司る。乾燥や邪氣 (風邪など) の影響を受けやすい。
生命の根源「精」を蓄え、成長・発育・老化・水分代謝を司る。腎の働きの低下を「腎虚」と呼び、足腰のだるさや冷え、加齢に伴う不調と関連する。
PATHOLOGY
「不足 (虚)」と「停滞 (実)」、そして温度・水分のバランスから身体の偏りを捉える。
氣そのものが不足した状態。倦怠感・声が小さい・息切れ・汗が出やすいなど、エネルギー不足の症状を呈する。
氣の流れが滞った状態。胸や脇の張り、ため息、ガスが溜まる、月経前の不調など、ストレス性の症状に多い。
血が不足した状態。顔色が白い・めまい・抜け毛・動悸・不眠・乾燥など、栄養不足型の症状。女性に多い。
血の流れが滞った状態。刺すような痛み (固定性)、夜間悪化、舌の暗紫色、皮膚の色素沈着などが特徴。
身体を冷やし潤す陰のエネルギーが不足した状態。のぼせ・寝汗・口の渇き・ほてりなど「乾いて熱がある」症状。
身体を温める陽のエネルギーが不足した状態。冷え・無気力・下痢・むくみなど「冷えて動かない」症状。
冷えと湿気が身体に侵入・滞留した状態。重だるい痛み、温めると楽になる、雨の日に悪化する症状などが典型。
水分代謝の乱れにより生じた病的な水分の停滞。むくみ・頭重感・吐き気・舌苔が厚いなどの症状を生む。
湿に熱が伴う状態。皮膚のじゅくじゅく、口の苦味、ベタベタする経血、脂っぽい肌などが特徴。
PATTERNS
「証」とは、東洋医学における身体の状態の総合的な見立て。同じ症状でも証が異なれば、必要な施術もまったく異なる。
ストレスにより肝が本来持つ「氣を巡らせる働き (疏泄)」が滞った状態。イライラ・ため息・喉のつかえ・月経前のお腹の張りなどが典型。
腎陰虚を背景に肝の陽氣が頭部にのぼりすぎた状態。頭痛・めまい・耳鳴り・顔のほてり・更年期のホットフラッシュなどに多い。
肝氣鬱結が長く続き、鬱滞した氣が「熱 (火)」に変化した状態。強いイライラ・頭痛・赤い目・口の苦味・寝つけない不眠など。
心を養う血が不足した状態。寝つきが悪い、夢を多く見る、動悸、健忘、顔色の悪さ、不安感など。考え込みすぎる人に多い。
心の働きを支える氣が不足した状態。動くと動悸・息切れ・汗が出やすい・声が小さい・倦怠感を伴う。
心の陰 (潤い) が不足した状態。動悸・寝汗・ほてり・のぼせ・寝つけない不眠などが特徴。更年期や慢性的な睡眠不足で生じやすい。
本来連携すべき心と腎のバランスが崩れた状態。不眠・不安・動悸・寝汗・耳鳴りなど。過労や慢性的な睡眠不足で深まりやすい。
考え過ぎて心血が消耗し、脾の運化機能も弱った状態。不眠・健忘・食欲低下・倦怠感・顔色の悪さなどを伴う。
腎の陰 (潤い) が枯れた状態。のぼせ・寝汗・耳鳴り・足腰のだるさ・口の渇きなどを伴う。更年期に多い証の一つ。
腎の陽 (温める力) が不足した状態。下半身の冷え・夜間頻尿・性機能の低下・むくみ・倦怠感などを伴う。加齢や過労で深まる。
腎の働き全般が低下した状態の総称。陰虚タイプ・陽虚タイプ・精不足タイプを含む。腰痛・足腰の弱り・耳鳴りなどに関わる。
腎に蓄えられる「精」が枯渇した状態。発育の遅れ・物忘れ・耳鳴り・足腰の弱り・早期老化などに関わる。
脾の機能が弱った総称。食欲不振・食後の眠気・軟便・倦怠感・むくみなどを伴う。冷たい飲食や過労で深まる。
脾の氣が不足した状態。脾虚の中でも特にエネルギー不足が目立つもの。氣が作れず、慢性疲労や食後の眠気が強い。
血の不足により、大腸が潤いを失って便がコロコロ硬くなった状態。便秘の一タイプ。皮膚の乾燥や月経量の少なさを伴うこともある。
寒湿が経絡に侵入して痛みを起こした状態。重だるい痛み・温めると楽になる・冷えで悪化する症状などが特徴。
冷えにより血が凝集して瘀血が生じた状態。下腹部の冷えと刺すような痛み、温めると楽になる生理痛などに多い。
氣の停滞が長く続き、血の流れまで滞った状態。固定性の刺すような痛み、塊を伴う経血、舌の暗紫色などが特徴。
氣と血の両方が不足した状態。慢性疲労・めまい・動悸・顔色の悪さ・冷えなど、エネルギー全般の不足症状を呈する。
氣血の流れが広く滞った状態。慢性的な肩こりや腰痛など、血流が悪化した結果として深まる証。
肝と腎の両方が弱った状態。加齢・過労・慢性病に伴うことが多く、五十肩・腰膝のだるさ・耳鳴り・性機能低下などに関わる。
検査では異常が見つからないが、本人にははっきりとした不調 (めまい・動悸・倦怠感・不眠など) がある状態。東洋医学では証を見立てて整える対象となる。
MERIDIANS
経絡 (けいらく) は、氣と血が流れる目に見えない通り道。施術では、症状の出ている部位を通る経絡を選んで経穴 (ツボ) に介入する。
氣血の通り道。十二の正経と奇経八脈などからなり、五臓六腑と全身の体表を繋ぐネットワーク。
経絡上にある氣が出入りする要点。一般に「ツボ」と呼ばれる。WHO 認定で約 360 のツボがある。
目頭から後頭部、首〜背中を通り、足の小指まで走る経絡。後頭部・首・背中・腰・坐骨神経痛と関係が深い。
顔面 (前頭部) から首前面、腹部を経て足の第二趾まで走る経絡。額の頭痛、胃腸の不調、消化器症状と関わる。
目尻から側頭部、首側面、体側を経て足の第四趾まで走る経絡。側頭部の頭痛 (偏頭痛)、肩首の側面、ストレス性の症状と関わる。
足の親指から内側を上り、生殖器周辺を経て頭頂部まで達する経絡。頭頂部の頭痛、月経・生殖器系、肝由来の症状と関わる。
人差し指の先から腕の外側を上り、首の前面、顔面を経て鼻の脇まで走る経絡。便秘・大腸の不調・首肩の側面と関わる。
DIAGNOSIS
東洋医学の診断は、見る (望診)・聞く (聞診)・問う (問診)・触れる (切診) の四つを組み合わせて、その方の証を総合的に見立てる。
その方の身体の状態の総合的な見立て。同じ西洋医学的な診断名であっても、証が違えば必要な施術はまったく異なる。
両手首の橈骨動脈の脈の強さ・速さ・深さ・形状から身体の状態を読み取る診断法。気血の盛衰や臓腑の働きを見る。
舌の色・形・苔の様子から身体の内側の状態を観察する診断法。血の状態・水分代謝・熱証・寒証などが現れる。
身体全体の状態 (睡眠・食欲・便通・月経・冷えのぼせ・痛みの性質など) を丁寧に伺うこと。証の見立てに不可欠。